薬剤師 防御因子増強薬(消化性潰瘍治療薬)

防御因子増強薬(消化性潰瘍治療薬)


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【1】スクラルファート水和物(アルサルミン)

 

防御因子増強薬は、胃の粘膜を保護することで潰瘍や胃炎の症状を改善するお薬です。

 

スクラルファートは、潰瘍や胃炎などの部位に選択的に結合し、荒れた粘膜を保護します。

 

また、胃酸中のペプシンの働きを抑えることで、潰瘍や胃炎の症状を改善するお薬です。

 

スクラルファートはアルミニウムを含む胃薬なので、服用したアルミニウムは大部分が
そのまま便によって排泄されますが、少量のアルミニウムは体内に吸収され腎臓から排泄されます。

 

そのため、透析治療を受けている患者さんは服用できません。

 

また、腎機能が低下した患者さんが長期間服用する場合は、
体内のアルミニウムが過剰にならないよう注意して下さい。

 

副作用は一般的に少ないお薬ですが、代表的な症状として、便秘、口渇(細粒)、
吐気などがあります。

 

重大な症状は報告されていません。

 

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相互作用についても併用できないお薬はありませんが、注意が必要なものについては次の通りです。

 

・血清カリウム抑制イオン交感樹脂(ポリスチレンスルホン酸カルシウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)と
併用すると、カリウムイオンだけではなくアルミニウムイオンとも交感を行うため、
血清カリウム抑制イオン交換樹脂の効果が減弱する恐れがあります。

 

・ニューキノロン系抗菌剤(ノルフロキサシン、シプロフロキサシン塩酸塩など)、
テチラダイクリン系抗生物質、強心薬のジギタリス製剤、抗かんてん薬のフェニトイン、
甲状腺ホルモン剤、胆汁酸製剤と同時に服用すると、これらの吸収が遅れ、
また阻害される恐れがあります。

 

服用時間をずらすなどの工夫が必要で、服用時間をずらすことで
このような影響が弱まると考えられています。

 

・クエン酸製剤(クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウムなど)と併用するとアルミニウムの
体内への吸収が高まる恐れがあります。
・抗不整脈薬のキニジン硫酸塩水和物と併用するとキニジンの排泄が遅れる恐れがあります。

 

 

スクラルファートは、荒れた粘膜のたんぱく質に結合し粘膜を保護します。

 

そのため、胃の中に食事から得たたんぱく質があると効果が低下すると考えられています。

 

食前や寝る前の服用が望ましいでしょう。
スクラルファートは単剤で、H2受容体拮抗薬と同様の潰瘍治療効果が認められています。

 

 

【2】レバミピド(ムコスタ)

 

レバミピドは、胃粘膜の血流改善作用、胃粘膜の分泌増加作用などにより
胃粘膜を修復して胃潰瘍や胃炎を改善するお薬です。

 

副作用で重大な症状は、ショック、アナフィラキシー様症状、白血球減少、血小板減少、
肝機能障害、黄疸があります。

 

また、代表的な症状として、便秘、腹部膨満感、肝機能検査値上昇などが報告されています。

 

レバミピドなどの防御因子増強薬は、潰瘍の自覚症状を改善する効果があることが分かっています。

 

一般的にプロトンポンプ阻害薬やH2受容体拮抗薬と比較して潰瘍に対する治療効果は劣ります。

 

 

【3】その他、特徴ある薬剤

 

○ミソプロストール(サイトテック)

 

痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬)の長期服用時に見られる胃潰瘍および十二指腸潰瘍に使われるお薬です。
プロスタグランジン製剤と呼ばれ、胃粘膜の分泌作用や胃酸分泌抑制作用などがあります。

 

スクラルファートやレバミピドとは異なり、副作用として下痢、軟便、腹痛が起こりやすいので、注意が必要です。

 

また、ミソプロストールには子宮収縮作用があり流産を起こしたという報告があります。
妊娠中や妊娠の可能性がある女性は服用できません。

 

また、服用中は妊娠しないように注意して下さい。

 

※プロスタグランジン…胃粘膜保護作用、粘液分泌作用、アルカリ分泌作用、
粘膜血流量の維持などの作用を持つ胃の防御機構を担っているホルモン様物質の1つです。

 

 

○ポラプレジンク(プロマック)
潰瘍部に付着・浸透し潰瘍部を保護するとともに、潰瘍の治癒を促進する作用を持つお薬です。

 

口腔内崩壊錠と顆粒があります。

 

ポラプレジンクは通常、胃潰瘍に使うお薬ですが、有効成分中に亜鉛を含んでいるため、
適応外使用で亜鉛欠乏症に使われることもあります。


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