薬剤師 抗精神病薬の服薬指導

抗精神病薬の服薬指導


このエントリーをはてなブックマークに追加  

<統合失調症患者の場合>

 

統合失調症に対する抗精神病薬は、病気の治療と同時に
再発防止のための予防薬としても使われています。

 

急性期から回復しても抗精神病薬を中止してしまうと、再発する割合や
重症度が高くなってしまうため、通常は長期に渡って維持療法を継続していく必要があります。

 

統合失調症に対する抗精神病薬の多剤併用は、大量の抗精神病薬による錐体外路症状・
過鎮静・性機能障害などの副作用を起こしてきました。

 

また、どの薬が副作用を起こし、どのくらいの用量が適切なのかなどが分からなくなってしまいます。

 

このようなことから、現在では非定型抗精神薬を単剤で使うことによって効果的で、
副作用も少ない薬物治療が可能になってきています。

 

但し、難治性でやむを得ず多剤併用大量処方のまま経過しているケースも少なくありません。

 

統合失調症の急性期では、脳の神経の興奮が過剰になり、全体のバランスが崩れ、
幻覚・妄想などの陽性症状が中心となる時期です。

 

 

抗精神病薬もよく効く時期ですが、反対に急性の
副作用(過鎮静・錐体外路症状・立ちくらみなど)が現れやすくなります。

 

スポンサーリンク

 

これらの副作用のために服薬を中断したり、自殺企図へと進んでしまうことも少なくありません。

 

この時、錐体外路症状に対して、抗パーキンソン薬が処方されることが多く、学齢期では記憶障害、
高齢者だとせん妄を引き起こしやすくなることを理解しておきましょう。

 

患者さんにいつまで服用し続けるのかと質問をされた場合は、今の状態は薬によって保たれていて、
再び具合が悪くなることを予防しているということを十分に伝えて下さい。

 

将来的には処方の変更や中止もあり得ることを説明しましょう。
患者さんが納得できるまで根気よく行うことも大切です。

 

 

<うつ病患者の場合>

 

うつ病患者への服薬指導では、うつ状態は必ず改善することをようく説明して下さい。

 

ただ話を聞くのではなく、より注意深く丁寧に話を聞くようにして患者の立場を支えること、
病気に対する不安や恐怖を和らげる、安心や自信を持たせるようにすることは、
うつ病患者に対する基本的な接し方です。

 

但し、元気づけようと励ましたり、気休め的な態度・言葉は
患者にとって良くないので、うつ病患者の対応には気を付けましょう。

 

 

<まとめ>

 

精神疾患の患者の中で、拒薬傾向の強い患者、副作用を気にする患者、
処方変更を頻繁に訴える患者、理解に乏しい患者などの対応が難しい場合は、アドヒアランス
(患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること)の低下が
原因で再発・再入院する場合が多くなります。

 

つまり、患者が医師と治療方針を決める時に
非協力的な場合に再発や再入院といったことが頻繁に起こるということです。

 

 

このため、
@医師と治療方針について事前に打ち合わせをする
A患者の話を丁寧に聞く
B患者の理解力に応じた説明を行う
C理解力や認知能の低下が見られる患者には家族の理解と協力の必要性などが
アドヒアランス(患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること)を
向上させるためには重要なカギとなります。

 

副作用を気にする患者には、とのようなことが不安なのかを丁寧に話を聞きます。

 

副作用を起こした経験がある患者については、副作用の説明には過剰に反応する場合があります。

 

その場合には、「副作用」という言葉を使わずに、代表的な初期症状と対処法の
説明に留めることが必要です。


あわせて読みたい記事




このエントリーをはてなブックマークに追加