薬剤師 気分安定薬(抗躁薬)

気分安定薬(抗躁薬)


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気分安定薬(抗躁薬)の中で代表的なものは、炭酸リチウム(リーマス)というお薬で、
躁うつ病の両状態に有効です。

 

特に躁状態が優位な症例に対して効果が高いと言われています。

 

リチウムは効果発現が遅いので、安全域が狭く、血中濃度をモニタリングしながら
用量を設定します。

 

感情をコントロールする部分に働き、興奮しすぎる状態を引き起こす物質
(ノルアドレナリン・ドパミン・セロトニンなど)の産生や放出をコントロールすることで、
抑えることのできない感情の高まりや行動を抑え、気分を安定させるお薬です。

 

このお薬を投与している患者さんには、めまいや眠気などが現れることがあるので、
自動車や機械の操作など危険を伴う作業は行わないように伝えましょう。

 

 

このお薬で症状の改善が見られたら、症状を観察しながら維持量を徐々に減らしていきます。
(躁症状の発現時には、この薬に対する耐容性(同様の効果を得る為により大量の物質を
必要とすること)が高く、躁症状が治まると耐容性が低下するため)

 

他の向精神薬(フェノチアジン系、プチロフェノン系薬剤など)との併用中に中毒を発現すると、
非可逆性の小脳症状または錐体外路症状(錐体外路系と呼ばれる神経の働きが悪く
なると上手に身体の動きをコントロールできなくなる症状)を起こすことがあります。

 

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副作用で代表的な症状として、手の振戦、消化器症状(食欲不振・嘔気・嘔吐・下痢)
、口渇、傾眠などです。副作用の中で重大な症状は、リチウム中毒、悪性症候群(高熱・発汗・
振戦・頻脈など)、徐脈、腎性尿崩症、痴呆様症状、意識障害などが見られます。

 

 

 

相互作用としては、チアジド系・ループ利尿薬、ACE阻害薬がナトリウム排泄を保護することで、
腎におけるリチウムの再吸収が代償的に促進される可能性があるため、血清リチウム
濃度が上昇するので注意が必要です。NSAIDsも血清リチウム濃度を上昇させます。

 

 

このお薬は、速効性はなく効果発現まで2〜3週間かかります。(定常状態になるまで1〜2週間かかる
)血中濃度の正常域は0.6〜1.2mEq/Lで、1.5mEq/Lを超えると中毒症状が現れ、
3.5mEq/Lでは致死的となります。身体の水分が低くなると中毒を起こしやすくなるため、
水分は十分に摂るよう指導しましょう。

 

脳波異常例、重篤な心疾患、腎障害、脱水、塩分制限患者には絶対に使わないで下さい。


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