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妊婦への服薬指導


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妊婦への服薬指導は、胎児に及ぼす影響についての情報提供が主な内容になります。

 

通常の妊婦に見られる先天異常については、1972年より日本産婦人科学会が
中心となって先天異常の調査を行っています。

 

妊娠中に服用した薬剤が、胎児にどのような影響を与えるかについて考えるとき、
薬剤の持つ危険度以外にも、「服用した時期」が重要になります。

 

胎児の器官形成の過程は、薬剤の服用時期から胎児への影響を考えるときに、
胎児のどの器官に影響が出てしまうのかを考えるうえでも必要となります。

 

薬剤そのものの催奇形性を見るには、日本では添付文書がその資料となりますが、
とても情報が限られてしまいます。

 

アメリカでは食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administation)
がリスクをカテゴリー分類しており、FDA分類と呼ばれています。

 

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ただ、FDA分類は分類法の特性上、危険性が少ない薬剤が少なく、
臨床での用途に限りがあります。

 

オーストラリアの医薬品評価委員会(ADEC:Australian Drug Evaluation Committee)が
発表しているオーストラリア分類は、ヒトせの使用に関するデータとして過去の使用を
重視している為、FDA分類より臨床では使用しやすい印象があります。

 

 

日本では虎の門病院が薬剤の危険度とその服用時期を評価した
分類を行って服薬指導に役立てています。

 

妊婦への服薬指導において、絶対にやってはいけないことがあります。

 

 

それは、「絶対に大丈夫です」と説明をおこなうことです。

 

妊婦さんが薬を飲むことに抵抗があるのは確かですが、
勇気づけてあげようとこのような言葉をかけてしまうと万が一の場合大変なことになってしまいます。

 

医薬品を服用していない妊婦にも先天性異常が認められる時もあります。

 

このため、リスクがあまりない医薬品でも「ほとんど影響がないと考えられます。

 

胎児に奇形が起こる確率は、薬剤を服用していない人と同じくらいですよ」と
いったような説明を行って下さい。

 

 

中には、奇形が起こる危険性が高くなるにも関わらず、服用しなければならない医薬品もあります。

 

 

例えば抗てんかん薬や気管支喘息薬、向精神薬などは服用しなければ
母子ともに危険にさらされる危険性があるからです。

 

妊婦への服薬指導では、リスク・危険性も説明しながら処方された薬剤を
服用する重要性を納得してもらえるように説明を行うことが重要です。

 

 

<ADECの胎児危険度分類>

 

カテゴリーA :多くの妊婦と妊娠可能年齢の女性によって服用されていて、
それによる先天奇形の発症率上昇、胎児に対する有害な作用が確認されていない薬剤

 

 

カテゴリーB1:限られた人数だけの妊婦と妊娠可能年齢の女性によって服用されていて、
それによる先天奇形の発症率上昇、胎児に対する有害な作用が確認されていない薬剤

 

動物実験では胎児に対する悪影響を示すエビデンスはない

 

 

カテゴリーB2:限られた人数だけの妊婦と妊娠可能年齢の女性によって服用されていて、
それによる先天奇形の発症率上昇、胎児に対する有害な作用が確認されていない薬剤

 

動物実験は不十分なものの、利用できる資料では胎児に対する悪影響を示すエビデンスはない

 

 

カテゴリーB3:限られた人数だけの妊婦と妊娠可能年齢の女性によって服用されていて、
それによる先天奇形の発症率上昇、胎児に対する有害な作用が確認されていない薬剤

 

動物実験では胎児に対する悪影響が確認されているが、臨床的にその意義は不明確とされる

 

 

カテゴリーC: 胎児や新生児に可逆的な傷害を与えるか、与える可能性があるが、
奇形を発生させることはないとされる薬剤

 

 

カテゴリーD: 胎児の先天性奇形のリスクを増加させ、不可逆的な傷害を与える、
または与えうることが示唆される薬剤

 

 

カテゴリーE: 胎児に傷害を与えるリスクが高く、妊婦および妊娠の可能性がある
女性に投与してはならない薬剤





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