薬剤師 服薬指導

男女による服薬指導の違い


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基本的に男女によって服薬指導を変えて説明するこは義務付けられていませんが、
副作用などから性差を考慮しなければならない薬剤もあります。

 

例えば、副作用と聞いて連想するのが「脱毛」や「機能不全」「美容的なもの」などです。

 

全身性エリテマトーデスは、20〜30歳代の女性に多く見られる全身性免疫疾患です。

 

男性と女性と比べてみると、1:10という割合で圧倒的に女性が多く、
特に若い女性が発症してしまうケースが多く見られます。

 

治療に使われる薬剤はステロイドですが、効果が乏しい場合は、
エンドキサンの内服もしくは点滴による治療を行う場合があります。

 

エンドキサンにも副作用があります。

 

副作用の中で、若い女性にとって一番重要な副作用は「卵巣機能不全」です。
卵巣機能不全を起こしてしまうと閉経してしまい、妊娠することができなくなってしまいます。

 

結婚前や赤ちゃんを望んでいる患者さんにとっては、大変ショックが大きいことでしょう。

 

エンドキサンは10代に投与した場合は回復が可能とされていますが、30代ではほとんどの
場合が卵巣機能不全を起こし、回復不可能となることが考えられています。

 

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次に、タキソテールというお薬です。このお薬の代表的な副作用は「脱毛」です。

 

ほぼ確実に起こる副作用の1つといわれています。

 

脱毛の発現は、男性以上に女性の方が精神的苦痛が大きいということです。

 

特に女性の場合は、脱毛の副作用を嫌がり、治療を拒否してしまう場合もあります。

 

副作用を説明する時は、医師と連携をとりながら慎重に説明を行うことが求められます。

 

脱毛は、目に見えてしまう副作用ですので、見た目を気にする女性にとってはとても辛いことです。
そういう点を考慮しながら説明を行いましょう。

 

その他、化学療法のCMF療法で約10%、CAF療法で約40%、
MOPP療法やAVBD療法では約68%の割合で脱毛が起こると報告されています。

 

このような治療法を行う時も、注意しましょう。

 

 

乳がんの化学療法の場合、エンドキサンとタキサン系薬剤の両方を使用するようなレジメンがあります。

 

レジメンとは、投与する薬剤の種類や量、期間・手順などを時系列で示した計画書です。

 

特に若い女性に化学療法の選択を説明する時は、この副作用全てを説明しなければなりません。

 

説明をする相手が結婚しているか、子供がいるかいないのか、今後赤ちゃんを
望んでいるのかなど家族背景、家庭環境などを確認したうえで、個別に配慮した説明が求められます。

 

 

ステロイド剤の服薬指導において、自己免疫疾患やネフローゼ症候群で使用される
ステロイド剤の説明では、大きく分けて2つの事を説明する必要があります。

 

@医療従事者にとって重要な副作用A患者さんにとって重要な副作用です。

 

@の具体例としては、

 

1.飲み忘れによる副腎不全(飲み忘れてはいけないこと)
2.感染症(必要に応じて抗菌薬で予防すること)
3.骨粗鬆症(ビスホスフォネートやビタミンKで予防すること)
4.消化性潰瘍(プロントンポンプ阻害薬で予防すること)

 

などといったことがあります。

 

 

@に関しては、男女に関係なく説明することができます。
問題は、Aの説明です。ステロイド剤には、美容的な副作用が多くあります。
満月様顔豹・多毛・ざ瘡・皮膚線条といったものです。

 

全ての場合に当てはまるわけではありませんが、男性は美容的な副作用を
気にする患者さんは多くはいませんが、女性の場合は、年齢に関わらず
大半の患者さんが美容的副作用を気にしてしまいます。

 

 

特に満月様顔豹・皮膚線条といった外見で見てとれる副作用は、
女性にとっての日常生活の質や充実感を著しく奪ってしまいます。

 

ステロイド剤の服薬指導は、命に関わる副作用と医原性クッシング症候群といえる
美容的副作用に分けて、説明を行いましょう。

 

特に女性の患者さんには、美容的副作用について十分な説明を行う必要があるでしょう。





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