薬剤師 ヒヤリ・ハット

ヒヤリ・ハット事例から見た服薬指導


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2001年から日本医療機能評価機構が行っている医療事故情報収集等事業は、
2009年春から薬局も対象となりました。

 

ヒヤリ・ハット事例から考えられる服薬指導の注意点を解説します。

 

76歳男性(Aさん)の前立腺がんを患っている患者さんを例に解説していきます。

 

 

Aさんは、多発骨転移しており、ボルタレン坐剤(50r)を処方されています。
痛い時に1個飲むよう指導され、20回分渡されました。

 

Aさんは、痛みに対して以前からボルタレン坐剤を処方されていました。
薬の効きがよく処方通りに服薬を続けていましたが、最近痛みが増してきたので
外来で受診したところ、4日後には「もう薬が無くなりそうなので…」と
受診時に話されていました。

 

 

この場合何が考えれられるのでしょうか?

 

がん性のズキズキするような痛みはよく見受けられますが、
特に骨転移による痛みに対しては、NSAIDsの坐剤は非常に効果的てす。

 

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ただ、NSAIDsの鎮痛効果には上限があり、
使いすぎてしまうと副作用の危険性が高くなってしまいます。

 

ボルタレン坐剤は添付文書上では、最大投与量が100rとなっていますが、
Aさんはそれ以上の量を使用したと考えられます。

 

Aさんは高齢者ということもあり、痛みなどから食欲が落ちてしまっていると
消化性潰瘍だけではなく、腎機能障害などの危険性も高いことが考えられます。

 

 

そこで、薬剤師ができることとは何か考えてみましょう。

 

ボルタレン坐剤の1日の使用回数を説明するだけではなく、効果には上限があることや、
副作用について、副作用の初期症状などをきちんと説明しましょう。

 

薬の使い方・使う量を守って使用していても効果が不十分な場合は、
そのことを医師に伝える重要性を説明しなければなりません。

 

 

また、血液検査や画像検査から痛みは伝わらないので、痛む箇所やどんな痛みかを
口に出して言葉で表現することが痛みの治療の近道だということを説明して下さい。

 

もう1つの方法としては、ボルタレン坐剤の1回の使用量を25rに変更し、
1日4回使えるようにすることを医師に提案するのも良い方法かもしれません。

 

 

Aさんは外来受診後、次のような薬が追加処方されました。

 

オキシコンチン錠(5r)2錠 分2 朝夕食後
リボトリール錠(0.5r)1錠 分1 寝る前

 

 

リボトリールは、主に「てんかん」の治療薬として使われます。

 

薬剤師が上記の処方に対して行った説明は、
「リボトリールはてんかんに使用するお薬です」という内容でした。

 

ところが、Aさんはてんかんの持病や症状がないため、服用を自己中断してしまいました。

 

上記において何が考えられるでしょうか?
がん性のズキズキする痛みに対して、リボトリールは鎮痛補助薬として使われます。

 

主に神経障害性疼痛に対する効果を期待し使用する場合が多くみられます。
リボトリールは、他の鎮痛補助薬に比べると副作用が比較的少ないため、
使いやすい薬の1つですが、適応外使用となります。

 

この場合、薬剤師ができることは、適応外使用などでよく使われる薬剤を把握し、
医師の処方意図に合った説明を行うことが大切です。

 

医師が意図としている内容と異なる説明をしてしまうと、
患者さんは不安になり服薬を中止してしまうことがあります。

 

上記のAさんの場合も同じでしょう。
きちんと医師の意図を理解し、適切な説明を行うことで患者さんの服薬コンプライアンス
(用法・用量・飲み方などの服用方が規則正しく守られていること)向上につながることでしょう。





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