薬物 相互作用

薬物の相互作用についての理解


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吸収における相互作用

 

吸収過程における相互作用は服薬指導をするうえで、
食事と薬物の服用の時差、食べてはいけない食物などの指導に必要な知識となります。

 

一般的には、消化管に食物が存在すると、胃の内部での排泄速度が減少し、
吸収速度は遅くなり、薬物の吸収が低下することが多い。

 

胃の内部での排泄速度を促進する薬物として、消化管機能亢進薬(メトクロプラミドなど)、
低下させる薬物として抗コリン作用を持つ薬剤(プロパンテリン)などがあり、
吸収率が影響を受ける薬物のあります。

 

吸収するところのpH(水素イオン指数)により、弱電解質な薬物では非解離型分子の割合が変動し、
吸収率に影響します。

 

制酸剤、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬(PPI)などによるpH上昇で、
弱酸性の薬物(ペントバルビタールなど)では吸収が低下します。

 

反対に弱塩基性の薬物(エフェドリンなど)では、吸収が増大します。
消化管のpH上昇により溶解性が低下し、吸収が低下する薬剤(イトラコナゾールカプセル)もあります。

 

食物と同様、金属カチオン(Mg,Al、Ca,Fe)を含有している薬物とキレート
(配位可能な原子を二つ以上持つ分子またはイオンが金属に配位して生ずる環状構造の化合物)
作る薬物は同時に服用すると吸収が低下します。

 

時間をずらしての服用とします。
また、吸着作用の有る薬物は、他の薬物を吸着して吸収を低下させます。

 

他の薬剤との投与時間差に注意します。
たとえば、球状活性炭は、大部分の薬物や栄養素を吸着するので食間服用であり、
コレスチミドは酸性薬物を吸着するので服用時間をずらします。

 

セベラマー塩酸塩も多くの薬物を吸着する可能性があり、服用時間をずらします。

 

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分布における相互作用

 

蛋白の結合が高い薬物同士(ワルファリンとイソドメタシン)は結合における相互作用が起こり、
薬剤同士の遊離型が上昇して薬物の分布にも影響し、作用が強く現れます(例:出血傾向の増強)。

 

下図、吸収相における相互作用参照

 

しくみ・構造 治療薬 併用薬 効果
消化管中のpHの変化 テトラサイクリン、ペンジルペニシリン、ワルファリン、ジキタリス、フェノバルビタール 炭酸水素ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム 吸収阻害
同上 テオフィリン、ミルク、アンフェタミン 同上 吸収促進
同上 イソドメタシン アスピリン 吸収促進
消化管の運動 アセトアミノフェン、リチウム、レボドパ メトクロプラミド 吸収促進
同上 ジゴキシン(徐放性)、アセトアミノフェン プロパンテリン 吸収阻害
同上 リボフラビン 同上 吸収増大
難吸収性物質形成(キレート形成) テトラサイクリン、ペニシリンG Mg、Alを含む制酸剤、鉄剤 吸収阻害
吸着 ワルファリン、ジゴキシン コレスチラミン 吸収阻害
小腸粘膜での代謝 ニフェジピンなど リファンピシン 代謝亢進
小腸粘膜での再分泌 同上 同上 再分泌亢進、吸収阻害

 

 

代謝における相互作用

CYPのそれぞれの分子量で代謝される薬物は、併用により代謝誘導剤(代謝を促進する)と
代謝阻害剤(阻害する薬物)が存在し、相互作用による血中濃度の上昇や低下が起こる。

 

併用禁忌や併用する場合は注意が必要である。

 

下図参照。代謝拮抗薬の相互作用は、重い骨髄抑制を起こす可能性がある。

 

骨髄抑制は、アロプリノールのキサンチンオキシダーゼ阻害による6−MP、
アザチオプリンの血中濃度の上昇によっても起こります。

 

CYP分子種 基質 代謝誘導薬 代謝阻害薬
CYP1A2 テオフィリン、カフェイン、プロプラノロール、フェナセチンなど オメプラゾール、喫煙、セント・ジョーンズ・ワート、カルパマゼピン ニューキノロン薬(ノルフロキサシン、シプロフロキサシン)、フルボキサミン、イミフラミン
CYP2C9 (S)−ワルファリン、フェニトン、トルブタミド、ジクロフェナクNa、イブプロフェン、メフェナム酸など フェノバルビタール、フェニトイン、リファンピシン アルファメトキサゾール、アミオダロン、イソニアジド
CYP2C19 オメプラゾール、ジアゼパム、イミプラミン、ヘキソバルビタール、プロプラノロールなど フェノバルビタール、フェニトイン、リファンピシン オメプラゾール、アミオダロン、フルボキサミン
CYP2D6 ノルトリプチリン、クロルプロマジン、ハロペリドール、リスペリドン、プルプラノロール、フレカイニド、メキシレチン、プロパフェノン、コデイン、デキストロメトルファンなど - キニジン、プロパフェノン、ハロペリドール、シメチジン、イミプラミン、アミオダロン
CYP2E1 エタノール、クロルゾキサゾン、ハロタン、エンフルラン、インフルランなど イソニアジド、エタノール クロルゾキサジン、アニリン
CYP3A4/5 カルバマゼピン、ゾニサミド、シクロスポリン、タクロリムス、エリスロマイシン、ニフェジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、ミダゾラム、トリアゾラム、サキナビル、シンバスタチン、タキモシフェン、アミオダロン、エトポシド、ジソピラミドなど フェノバルビタール、フェニトイン、リファンビシン、カルパマゼピン、セント・ジョーンズ・ワート アゾール系抗真菌薬(イタラコナゾールフルコナゾール)

 

 

排泄のおける相互作用

 

腎臓での薬物の排泄に関する相互作用では、
尿細管分泌におけるペニシリンとプロベネシドの競合的拮抗によります。

 

ペニシリンの尿細管分泌が低下し、血中の濃度が上昇します。




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