薬剤師 分子標的薬

分子標的薬


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近年、抗がん薬においては、腫瘍増殖に必要な細胞内シグナル伝達を標的にした薬剤が多く開発され、
多くの腫瘍でその有用性が報告されてきています。

 

中には劇的な効果を発揮した薬剤もあり、注目されています。
代表的なお薬は、ゲフィチニブ(イレッサ)です。

 

腫瘍がぞうしょくするのに必要な情報を伝達する受容体の酵素を選択的に阻害して、
腫瘍細胞の増殖能を低下させることにより、抗腫瘍効果を発揮するお薬です。

 

通常、手術できない、または再発した非小細胞肺がんの治療に用いられます。

 

 

使用上の注意は、発熱、乾性咳嗽、息切れ、呼吸困難は急性肺障害・間質性肺炎の症状です。

 

命に関わる副作用にもなりますから、
こうした症状を自覚したらすぐに医療機関を受診するよう指導しましょう。

 

できるだけ食後に服用すること、飲み忘れた場合は2回分を1度に服用してはいけないことを説明し、
次の服用時間が近ければ1回分服用せずに、
次の分から指示通り服用するように服薬指導を必ず行って下さい。

 

副作用で重大・代表的な症状は、肺障害以外では、全身倦怠感や食欲不振を生じる肝機能障害、
下痢、血尿や頻尿になる出血性膀胱炎などがあります。

 

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その他にも発疹、爪の障害、口内炎なども報告されています。
これら以外であっても気になる症状が出現した場合は、医師または薬剤師に相談するよう伝えましょう。

 

相互作用としては、グレープフルーツジュースは薬の作用を強くする可能性があります。

 

 

また、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)といったサプリメントで
薬の作用が弱くなってしまうことがあります。
服用する際は医師や薬剤師に相談するよう指導して下さい。

 

・腫瘍増殖に必須の成長因子が細胞表面にある成長因子受容体に結合すると、
成長因子受容体はリン酸化され、細胞内にあるいくつかの分子を経由し、
増殖シグナルを細胞の核内に伝えます。

 

その結果、増殖に必要な遺伝子転写を介して腫瘍細胞は増殖します。
分子標的薬はこれらの分子のいずれかを標的にした薬剤で、成長因子受容体に対する抗体
(例:トラスツズマブやセツキシマブ)や、これら成長因子受容体のリン酸化を標的にしたチロシンキナーゼ
阻害剤(TKI)(例:ゲフィチニブやラパチニブ)、細胞内シグナル伝達因子のTKI(例:テムシロリムスやエベロリムス)、
複数の分子を標的にしたTKI(例:ソラフェニブやスニチニブ)などがあります。





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