薬剤師 鉄剤

鉄剤 〜造血・血液凝固関係製剤〜


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鉄分が不足すると、全身に酵素が行き届かず、
息切れやめまいなどの貧血症状が起こる場合があります。

 

鉄分が不足して起こる貧血は、鉄剤で治療します。
代表的なお薬は、クエン酸第一鉄ナトリウム(フェロミア)です。

 

ヘモグロビンは鉄を含む赤血球中のたんぱく質で、全身に酸素を運搬する働きがあります。
鉄が不足するとヘモグロビンの数が減少し、貧血が起こります。

 

鉄剤は、不足した鉄分を補充することでヘモグロビン合成を回復させ、貧血の症状を改善します。

 

鉄剤には飲み薬と注射の2種類がありますが、一般的には飲み薬で治療します。
注射はアレルギー反応によるショック症状が報告されているため、どうしても飲み薬が飲めない時や、
早急に鉄分の補充が必要になったときだけ使われます。

 

 

使用上の注意は、鉄剤を飲み始めると、身体の中に吸収されずに余った鉄分が便と
一緒に排泄されるため、便の色が普段よりも黒くなりますが、心配はいりません。

 

また、鉄剤の服用は貧血の症状が改善しても、身体の中に貯蔵されている鉄分の量が
十分になるまで続ける必要があり、すぐに中止することはできません。

 

医師からの中止の指示があるまでは、きちんと服用を続けるよう指導しましょう。

 

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副作用で重大な症状の報告はありませんが、代表的な症状として次のような報告があります。
吐気、食欲不振、胃痛、腹痛、下痢、便秘、かゆみ、発疹、頭痛、めまい、肝機能障害などです。

 

 

相互作用については、併用禁忌のお薬はありませんが、セフジニル、テトラサイクリン系、
ニューキノロン系抗生物質、甲状腺ホルモン製剤と同時に服用すると、
薬の吸収が低下する可能性があります。

 

併用する場合は、少し時間をあけて服用するよう指導して下さい。
特にセフジニルとは、3時間以上間隔をあけて服用する必要がありますので、ご注意下さい。

 

鉄剤は食欲不振、吐気、下痢、便秘などの消化器症状が出やすいといわれていますが、
これは鉄剤から遊離された鉄イオンが胃腸粘膜を刺激することで起こる副作用です。

 

 

しかし、クエン酸第一鉄は鉄イオンを遊離しないため、化器症状が比較的少ない製剤です。

 

以前はコーヒーやお茶を飲むと、鉄剤の吸収が低下するといわれていました。

 

これは、コーヒーやお茶に含まれるタンニンと呼ばれる苦み成分が鉄剤と結びついてしまい、
鉄剤の吸収が低下するとされていたことが原因です。

 

 

しかし、鉄剤に含まれる鉄分の量は多く、それに比べるとタンニンと結びつく鉄分は微量1であることが
分かったため、現在ではコーヒーやお茶を摂取してもほとんど影響がないといわれています。

 

赤血球は通常、120日前後で老化し、肝臓、脾臓で分解され、鉄が血液に供給されます。
一部は貯蔵鉄になります。





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