薬剤師 GnRH誘導体

GnRH誘導体(子宮内膜症治療薬)


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子宮内膜症は、子宮内膣以外の場所に子宮内膜様の組織が発生する
エストロゲン依存症の疾患で、不妊、月経痛、腰痛、排便痛などの症状が現れます。

 

GnRH誘導体は、エストロゲンの分泌を抑えることで子宮内膜病変を縮小させます。
代表的なお薬は、ブセレリン酢酸塩(スプレキュア)です。

 

このお薬は視床下部ホルモンの1種である性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の誘導体で、
薬の使用開始初期は一過性に黄体ホルモンと卵胞刺激ホルモンの分泌が促進され、
それに伴いエストロゲンの産生、分泌も上昇しますが、継続して使用することで、
LH・FSH及びエストロゲンの分泌を抑制し、子宮内膜症の病巣を縮小または消失させます。

 

また、このお薬は子宮筋腫や中枢性思春期早発症の治療にも用いられます。

 

 

使用上の注意は、妊娠中に使用すると流産する可能性があるため、
妊娠中の患者さんには使用できません。

 

また、治療期間中は避妊することをお勧めします。

 

薬の影響でエストロゲンが低下し、骨塩量が低下したり。
更年期障害様のうつ症状を起こすことがあるため注意が必要です。

 

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副作用で重大または代表的な症状は、ショック、アナフィラキシー様症状、うつ症状、脱毛、
狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、血小板減少、白血球減少、不正出血、卵巣のう胞破裂、
肝機能障害、黄疸、糖尿病の発症または増悪があります。

 

 

相互作用については次のような報告があります。

 

@併用によりブセレリンの作用を減弱させる可能性のある薬剤
性ホルモン製剤(エストラジオール誘導体など)

 

A併用により併用薬の作用が減弱する可能性のある薬剤
糖尿病治療薬(エンスリン製剤、トルブタミド、グリベンクラミドなど)

 

GnRHは視床下部から約60分間隔で放出され、下垂体前葉のGnRH受容体をバルス状に刺激し、
ゴナドトロピン(LH・FSH)の分泌を促進させる働きがあります。

 

GnRHアナログはGnRH受容体を連続的に刺激することで、
一時的にLH・FSHの分泌を促進させ、エストロゲンも上昇させます。

 

しかし、エストロゲン濃度がある一定以上になると、その濃度を調節するために
ネガティブフィードバック機構が働き、下垂体前葉のGnRH受容体数が減少し、
FSH・LHの分泌量が低下することで、結果的に低エストロゲン状態となります。

 

このようなGnRHアナログを用いた子宮内膜症の治療法は、偽閉経療法と呼ばれます。

 

 

<エストロゲンのフィードバック機構>

 

GnRHはゴナドトロピン放出ホルモンと呼ばれ、視床下部から一定の間隔で分泌されます。

 

GnRHが下垂体前葉に作用しLH(黄体形成ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)の
分泌を促すことでエストロゲンが分泌されますが、エストロゲンの濃度がある一定以上になると
支障下部と下垂体に対しネガティブフィードバック機構が働き、
GnRH、LH、FSHの分泌は抑制され、エストロゲンの分泌も抑制されます。





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