薬剤師 抗甲状腺薬

抗甲状腺薬 〜甲状腺機能異常治療薬A〜


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甲状腺ホルモンは、身体の成長やエネルギー産生、
さらには代謝や循環器系の調節を司るホルモンです。

 

抗甲状腺薬は、甲状腺におけるホルモンの合成・分泌が亢進して起こる
甲状腺機能亢進症を治療するお薬です。

 

代表的なお薬は、チアマゾール(メルカゾール)です。

 

甲状腺のペルオキシダーゼを阻害することで、体内における甲状腺ホルモンの合成を抑制し、
甲状腺ホルモンによる過剰な新陳代謝を抑えるお薬です。

 

使用上の注意は、無顆粒球症などの重大な副作用は、薬の服用を開始してから2カ月以内に
発現しやすいので、定期的に血液検査を受けるよう注意を促します。

 

また、発熱、全身倦怠感、咽頭痛などの症状が現れたら、
服用を中止して受診するよう指導して下さい。

 

 

副作用で重大または代表的な症状は、汎血球減少、再生不良性貧血、無顆粒球症、
白血球減少、低プロトロンビン血症、第Z因子欠乏症、血小板減少、血小板減少性紫斑病、
肝機能障害、黄疸、全身性エリテマトーデス(SLE)様症状、インスリン自己免疫症候群、
間質性肺炎、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎症候群、横紋筋融解症です。

 

相互作用としては、ワルファリンカリウムやジギタリス製剤の作用に影響を与えることがあるため、
ワルファリンとの併用では血液凝固能の検査値、ジギタリス製剤との併用では
血中濃度の変動に注意する必要があります。

 

 

抗甲状腺薬は甲状腺ホルモンの合成を抑制しますが、分泌を抑制する作用はありません。

 

甲状腺には、甲状腺ホルモンを前駆体として蓄積させる機能があり、抗甲状腺薬によって
ホルモンの合成が抑制されても、蓄積されていたホルモンの分泌は続きます。

 

そのため、甲状腺内に過剰に蓄積されていたホルモンが減少し、
抗甲状腺薬の明らかな効果発現を認めるには1〜2ヵ月を要します。

 

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<その他の特徴ある薬剤の服用指導ポイント>

 

抗甲状腺ホルモン製剤には、チアマゾールとプロピルチオウラシル(プロパジール、チウラジールなど)が
ありますが、チアマゾールのほうが甲状腺内滞留時間が長く、より高い治療効果が得られるため、
チアマゾールが第一選択薬となっています。

 

しかし、妊娠初期にメルカゾールを服用した患者さんの子供に先天奇形が認められたとの報告があること、
また、授乳中の患者さんがチアマゾールを服用した場合、血清中とほぼ同レベルで母乳中へ移行するのに対し、
プロピルチオウラシルでの母乳中への移行は血清中の1/10程度のレベルであることから、
妊娠中あるいは妊娠の可能性のある患者さんや授乳中の患者さんには、
チアマゾールよりもプロピルチオウラシルが用いられます。

 

 

<甲状腺機能亢進症の主な自覚症状>

 

循環器系……洞性頻脈、動悸
消化器系……下痢、排便増多
精神神経系…手指振戦、イライラ感、神経質、不眠
皮膚…………多汗、湿潤
その他………体重減少、暑がり、微熱、易疲労感、息切れ、稀発月経・無月経





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