薬剤師 甲状腺ホルモン製剤

甲状腺ホルモン製剤 〜甲状腺機能異常治療薬@〜


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甲状腺ホルモンは、身体の成長やエネルギー産生、
さらには代謝や循環器の調節を司るホルモンです。

 

甲状腺ホルモン製剤は、甲状腺ホルモンが不足して起こる甲状腺機能低下症や、
甲状腺の腫瘍を治療するお薬です。

 

代表的なお薬は、レボチロキシンナトリウム水和物(チラーヂンS)です。

 

甲状腺の障害や手術などにより不足している甲状腺ホルモンを補い、
組織の酸素消費を高め、基礎代謝を上昇させます。

 

粘液水腫、クレチン病、甲状腺機能低下症(原発性および
下垂体性)、甲状腺腫などの治療に用いられます。

 

 

使用上の注意は、甲状腺機能低下症の患者さんは、甲状腺ホルモンに対する感受性が増大しています。

 

そのため、甲状腺ホルモン製剤を過量に服用すると、基礎代謝が急激に亢進し、
心臓などの臓器に過大な負担がかかることがあるため、少量から服用を開始し、
徐々に用量を増やしていくことが望ましいとされています。

 

副作用で重大または代表的な症状は、狭心症、肝機能障害、黄疸、ショック、
うっ血性心不全(類薬での報告あり)です。

 

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相互作用については次の通りです。

 

@併用により併用薬の作用が増強する可能性のある薬剤
ワルファリンカリウム、交換神経刺激薬(エフェドリンなど)

 

A併用により併用薬の作用が増強または減弱する可能性のある薬剤
強心配糖体製剤(甲状腺機能亢進状態では血清ジゴキシン濃度が低下し、
甲状腺機能低下状態では上昇するという報告があります)、
血糖降下薬(インスリン、SU剤など)

 

B併用によりレボチロキシンの作用が減弱する可能性のある薬剤
鉄剤、アルミニウム含有制酸薬(スクラルファート水和物など)
これらの薬剤と同時に服用すると、レボチロキシンの吸収が悪くなることがあるため、
時間をずらして服用するよう指導しましょう。

 

甲状腺ホルモンにはコレステロールを下げる作用があり、甲状腺機能低下症では血液中の
コレステロールが上昇し、「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールが上昇し、動脈硬化症
などを発症するリスクが高くなります。

 

甲状腺ホルモンにはT4とT3があり、甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンの大部分はT4ですが、
T3の方が高いホルモン活性を示します。

 

T4は体内においてT3に変換されて作用を発現します。
甲状腺ホルモン製剤にもT4製剤とT3製剤とありますが、T4は半減期が長く、
1日1回の服用で安定した効果が得られることから、T4製剤であるチラーヂンSが繁用されています。

 

<甲状腺機能低下症の主な自覚症状>

 

循環器系………洞性徐脈
消化器系………便秘
精神神経系……無気力、言語緩慢、感情鈍麻、嗜眠
皮膚……………発汗減少、乾燥、脱毛
その他…………体重増加、寒がり、嗄声、体温低下、行動緩慢、こむら返り、過多月経





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