薬剤師 副腎皮質ホルモン製剤

副腎皮質ホルモン製剤


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副腎皮質ホルモンは、左右の腎臓の上に位置する副腎という器官で合成・分泌されるホルモンです。
糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドに大別されます。

 

副腎皮質ホルモン製剤としては、抗炎症作用を有する糖質コルチコイドが用いられます。

 

 

【@プレドニゾロン(プレドニン)】

 

このお薬は合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)で、抗炎症作用、抗アレルギー作用、
免疫抑制作用のほか、広範囲にわたる代謝作用があります。そのため、内分泌疾患、
リウマチ疾患、膠原病、腎疾患、心疾患、アレルギー性疾患、重症感染症、血液疾患、
消化器疾患、肝疾患、肺疾患、神経疾患、悪性腫瘍などの非常に広範囲な疾患に用いられます。

 

使用上の注意は、薬の影響で感染症を誘発したり、副腎皮質が委縮し副腎皮質機能不全を起こしたり、
消化管潰瘍、糖尿病、精神障害などの重篤な副作用が現れることがあるため、
服用中は副作用の発現に十分注意が必要です。

 

 

特に、服用中に水痘または麻疹に感染すると重症化しやすいためご注意ください。

 

長期間にわたりステロイドを服用した場合、副腎皮質ホルモンの供給を薬に依存したために、
副腎の機能が低下し、副腎が萎縮することがあります。

 

そのため、薬を急に中止すると体内の副腎皮質ホルモンが欠如した状態になり、
発熱、頭痛、脱力感、ショックなどの離脱症状が現れることがあります。

 

中止する場合は徐々に量を減らし、副腎機能の回復を確認しながら慎重に減量していくことが大切です。

 

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また、副腎の萎縮をなるべく避けるために、副腎皮質ホルモンの分泌は朝に高く、
夕方低くなるという日内リズムに合わせた飲み方(1日1回の場合は朝、1日2回の場合は朝・昼、
あるいは朝・夕でも朝の用量を多くするなど)を遵守することが大切です。

 

副作用防止の観点からも、自己判断によるお薬の中止や減量、飲み方の変更は避けるよう指導しましょう。

 

 

副作用で重大・代表的な症状は、誘発感染症、感染症の増悪、続発性副腎皮質機能不全、
糖尿病、消化管潰瘍、消化管穿孔、消化管出血、膵炎、精神変調、うつ状態、痙攣、骨粗鬆症、
大腿骨および上腕骨などの骨頭無菌性壊死、ミオパチー、緑内障、後嚢白内障、中心性漿液性網脈絡膜症、
多発性後極部網膜色素上皮症、血栓症、心筋梗塞、脳梗塞、動脈瘤、
硬膜外脂肪腫、腱断裂など、長期にわたって高用量を服用すると様々な副作用が現れます。

 

 

相互作用については次の通りです。

 

@併用によりプレドニゾロンの作用を減弱させる可能性のある薬剤
リファンピシン、抗てんかん薬(フェノバルビタール、フェイトイン)

 

A併用によりプレドニゾロンの作用を増強させる可能性のある薬剤
エリスロマイシン

 

B併用により併用薬の作用を減弱させる可能性のある薬剤
ワルファリンカリウム、糖尿病用薬(インスリン製剤、経口血糖降下薬)

 

C併用により併用薬の作用を増強させる可能性のある薬剤
シクロスポリン

 

D併用により併用薬の作用を増強または減弱させる可能性のある薬剤
脱分極性筋弛緩剤(パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物)

 

Eサリチル酸製剤(アスピリンなど)と併用している際は、プレドニゾロンを減量すると、
サリチル酸中毒を起こすことがあるため注意が必要です。

 

Fカリウム保持性利尿薬を除く利尿薬(フロセミドなど)と併用すると、
低カリウム血症を起こすことがあるため注意が必要です。

 

G活性型ビタミンD3製剤と併用すると、高カルシウム尿症、
尿路結石を起こすことがあるため注意が必要です。

 

このお薬を服用すていると、免疫力が低下し、細菌やウイルスに対する抵抗力が低下することがあるため、
手洗い・うがいをよく行い、人ごみではマスクを着用するなどの感染症予防を心がけることが大切です。

 

 

【Aベタメタゾン吉草酸エステル(リンデロンV)】

 

ステロイド外用薬は、臨床効果の強い順にT〜X群の5段階に分類されています。
このお薬はVのストロング群に分類されるお薬で、湿疹や皮膚炎などの治療に用いられます。
かゆみ、赤み、腫れなどの症状を改善します。使用部位や症状などに応じて、ローション、
軟膏、クリームを使い分けます。

 

 

使用上の注意は、副腎皮質ホルモンの免疫抑制作用により、皮膚感染症増悪をきたすことがあるため、
皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことが原則です。

 

ただし、やむを得ず使用する必要がある場合は、あらかじめ適切な抗真菌薬による治療を行うか、
これらの薬剤を併用するなどの注意が必要です。

 

大量または長期にわたる広範囲の密封法(ODT)などの使用により、副腎皮質ホルモン剤を
全身投与した場合と同様の全身性の副作用である、副腎皮質系機能抑制が発現することがあります。

 

重大または代表的な副作用は、眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障があります。

 

相互作用についての報告はありません。

 

薬の使用後に皮膚の色が黒くなることがありますが、これはステロイドの影響ではなく、
皮膚炎の沈静後の色素沈着であり、時間とともに薄くなっていきます。

 

 

その他の特徴ある薬剤の服薬指導ポイント
酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン(パンデル)や、吉草酸酢酸プレドニゾロン(リドメックス)は皮膚では
高い活性を示し、体内に吸収されて弱いステロイドに代謝される、全身性の副作用の弱いお薬です。

 

<主なステロイド外用薬>

 

 作用の強さ                   一般名( )は商品名

 

T群 ストロンゲスト       クロベタゾールプロピオン酸エステル(デルモベート)、ジフロラゾン酢酸エステル(ジフラール、ダイアコート)
  (最も強い)

 

U群 ベリーストロング      フランカルボン酸モンタゾン(フルメタ)、酢酸プロピオン酸ベタメタゾン(アンテベート)、フルオシノニド(トプシム)、ベタメタゾンジ      
  (かなり強い)        プロピオン酸エステル(リンデロン-DP)、ジフルプレドナート(マイザー)、アムシノニド(ビスダーム)、吉草酸ジフルコルトロン(テクスメテン、
                 ネリゾナ)、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン(パンデル)

 

V群 ストロング         プロピオン酸デプロドン(エクラー)、プロピオン酸デキサメタゾン(メサデルム)、デキサメタゾン吉草酸エステル(ザルックス、ボアラ)、
  (強い)           ハルシノニド(アドコルチン)、ベタメタゾン吉草酸エステル(ベトネベート、リンデロン‐V)、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル
                (プロパテルム)、フルオシノロンアセトニド(フルコート)

 

W群 マイルド(弱い)      吉草酸酢酸プレドニゾロン(リドメックス)、トリアムシノロンアセトニド(ケナルコルト‐A、レダコート)、アルクロメタゾンプロピオン酸
   またはミディアム(弱い)  エステル(アルメタ)、クロベタゾン酪酸エステル(キンダベート)、ヒドロコルチゾン酪酸エステル(ロコイド)、デキサメサゾン(オイラゾン、
                 デキサメタゾン「イワキ」)

 

X群 ウィーク
  (かなり弱い)        プレドニゾロン(プレドニゾロン)





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