薬剤師 HMG‐CoA還元酵素阻害薬

HMG‐CoA還元酵素阻害薬 〜脂質異常症治療薬A〜


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脂質異常症とは、血清中の脂質であるコレステロール、
中性脂肪のいずれか、あるいは両方が増加した病態です。

 

HMG‐CoA還元酵素阻害薬は脂質の中でも特にコレステロールを下げ、
冠動脈疾患の予防に効果があります。

 

代表的なお薬は、ブラバスタチンナトリウム(メバロチン)です。

 

肝臓におけるコレステロールの生合成に必要な酵素であるHMG‐CoA還元酵素を阻害することで
コレステロールの合成を抑制し、血清コレステロール値を低下させます。

 

使用上の注意は、脂質異常症の中でも、特に高コレステロール血症に効果的です。

 

体内におけるコレステロールの生合成は夜間に亢進するため、1日1回の服用の場合は、
夕食後に服用することが望ましいとされています。

 

副作用で重大・代表的な症状は、横紋筋融解症、肝障害、血小板減少、
ミオパシー、末梢神経障害、過敏症状です。

 

※ミオパシー:筋の力がなく、やせてくるなどの症状があり、神経が障害されていない症状

 

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相互作用としては、原則併用禁忌なものとして、フィブラート系薬剤があります。
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症が現れやすくなるため、腎機能の低下した患者さんには、
治療上やむを得ないと判断される場合のみ慎重に併用します。

 

また、併用注意なもにで、免疫抑制剤(シクロスポリンなど)、ニコチン酸があります。

 

急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症が現れやすくなります。

 

 

『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007』では、
従来の「高氏血症」という表記が「脂質異常症」に変更されました。

 

これは、重要な脂質異常症の1つである、低HDLコレステロール(HDL‐C)血症を含めたものにするためです。

 

さらに、高コレステロール血症の診断は、総コレステロール(TC)ではなく
LDLコレステロール(LDL‐C)の数値を基準とすることになりました。

 

高LDL‐C血症と低HDL‐C血症はどちらも動脈硬化の強力な危険因子です。

 

HMG‐CoA還元酵素阻害薬は、LDL‐Cを確実に低下させ、
動脈硬化を予防することで冠動脈疾患への発展を防ぎます。

 

 

LDL‐Cは下記の式から求めることができます。
LDL‐C=TC−HDL‐C−TG/5(TG:トリグリセライド)

 

HMG‐CoA還元酵素阻害薬は、LDL‐Cを低下させることで、プラークと呼ばれる血管内膜の肥厚性病変を退縮、
安定化させ、プラークの破裂による狭心症や心筋梗塞の発症を予防する効果も期待されます。

 

アトルバスタチンカルシウム水和物(商品名:リピトール)
グレープフルーツジュースが、この薬の代謝酵素であるCYP3A4の働きを阻害するため、
グレ−プフルーツジュースと一緒に服用すると薬の作用が強くなることがあります。

 

一緒に飲むのは避けるよう指導しましょう。





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