薬剤師 ウイルス性肝炎治療薬

ウイルス性肝炎治療薬


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C型慢性肝炎とは、C型肝炎ウイルスの感染により、6ヵ月以上に渡り肝臓の炎症が続く病気です。

 

このC型慢性肝炎に対するお薬であるペグインターフェロンアルファ-2bとリパピリンの併用治療です。

 

2剤の併用治療は、C型慢性肝炎の治療において中心的な役割をしています。

 

 

◆ペグインターフェロンアルファ-2b(ペグイントロン)

 

C型慢性肝炎は、自然治癒は極めてまれで、初期症状がほとんどありません。
20年で20%以上が肝硬変になり、肝硬変に進展した場合は、年率7〜8%が肝がんへと進展します。

 

そのために肝炎の原因であるC型肝炎ウイルスの排除や
肝炎の悪化を抑えるために肝機能の改善を図ります。

 

ペグインターフェロンアルファ-2bは、C型肝炎ウイルスに対し抗ウイルス作用を示します。

 

また、免疫機能を増強することでC型肝炎ウイルスを排除しようとする働きを助け、
肝臓の機能を改善させます。リバビリンと一緒に用いられます。

 

服用時の注意は、めまい、錯乱、傾眠、疲労といった症状が現れることがあります。
使用中は、自動車の運転や危険の伴う機械の操作などは極力さけ行わないようにして下さい。

 

まれですが、間質性肺炎が現れることもありますので、発熱、咳、
息切れなどの症状に注意し、症状が現れた際は医師または薬剤師に相談しましょう。

 

治療中に不眠、イライラする、気分が落ち込むなどの症状が現れることがあります。
うつ病の可能性もあるので、症状が現れた場合は早めに主治医に相談して下さい。

 

リバビリンと併用時に見られる副作用の症状は次の通りです。

 

 

<重大>
間質性肺炎、肺線維症、肺水腫、抑うつ、自殺企図、貧血(赤血球減少)、ヘモグロビン減少、
無顆粒球症、白血球減少、顆粒球減少、血小板減少、再生不良性貧血、汎血球減少、
意識障害、失神、見当識障害、躁状態、難聴、痙攣、せん妄、錯乱、幻覚、妄想、昏迷、
攻撃的行動、統合失調症様症状、痴呆様症状、興奮、自己免疫現象、
血栓性血小板減少紫斑病、糖尿病、重篤な肝障害、急性腎不全などの重篤な腎障害、
ショック、心筋症、心不全、心筋梗塞、狭心症、不整脈、消化管出血、消化性潰瘍、小腸潰瘍、
虚血性大腸炎、呼吸困難、喀痰増加、脳出血、脳梗塞、敗血症、網膜症、皮膚粘膜眼症候群、
中毒性表皮壊死症、横紋筋融解症、溶血性尿毒症症候群

 

 

<代表的>
発熱、倦怠感、頭痛、食欲不振、関節症、筋肉痛、不眠、脱毛、悪心、嘔吐、発疹、掻痒、腹痛、
臨床検査値の異常(リンパ球減少、白血球減少、好中球減少、ヘモグロビン減少、赤血球減少、
ヘマトクリット減少など)など

 

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相互作用としては、他のインターフェロンアルファ製剤と小柴胡湯の併用で
間質性肺炎が報告されているため、小柴胡湯とは併用できません。

 

その他のお薬で注意が必要なものは次の通りです。

 

・血糖降下薬のトルブタミド、咳止めのデキストロメトファン臭化水素塩酸塩水和物、
免疫抑制療法と併用するとこれらの作用が減弱する恐れがあります。
・気管支拡張薬のテオフィリン、アンチピリン、ワルファリンカリウムと併用するとこれらの作用が増強する恐れがあります。
・HIV感染症治療薬のジドブジンと併用すると、白血球減少などの血球減少が増悪する恐れがあります。
上記の様なお薬を服用している際は、必ず主治医に伝えましょう。

 

ペグインターフェロンアルファ-2bは、少なくとも週に3回の投与が必要な従来のインターフェロンアルファ-2bと異なり、
週1回のみの投与を可能にした製剤です。注射の回数が減るため、
患者さんの肉体的・精神的負担を軽減することができます。

 

インターフェロン製剤は、副作用が高い確率で起こります。
投与初期に起こるインフルエンザの様な症状(発熱、倦怠感、関節痛など)に対して
解熱鎮痛薬が処方されることもあります。

 

 

◆リバビリン(レベトール)

 

リバビリンには抗ウイルス作用があり、インターフェロンのウイルス排除作用を増強します。
C型慢性肝炎にリバビリンを単独で使用しても効果はありません。

 

このお薬には催奇形性があります。

 

 

また、精子に影響を与えることが報告されているため、
男女ともに服用中ならびに服用後6ヵ月間は避妊をする必要があります。

 

リバビリンは、血液中では赤血球に移行しやすい特性を持っており、
貧血(溶血性貧血など)を起こす可能性があります。

 

めまい、だるい、疲れやすい、軽い運動でも息切れする
などの症状がある場合は、医師や薬剤師に必ず伝えましょう。

 

副作用については、前述のペグインターフェロンアルファ-2bを参照して下さい。

 

 

相互作用として次の様なことがあります。

 

・HIV感染症治療薬のジドブジンと併用すると、ジドブジンの効果を減弱する恐れがあります。
・ヌクレオシドアナログ(ジダノシン、アバカビル硫酸塩など)と併用した時に副作用として乳酸アシドーシス、
肝不全が報告されているため注意が必要です。

 

※乳酸アシドーシス
膵臓での乳酸利用が減ると同時に、血液中に乳酸が異常に増え、血液が酸性になる状態。
乳酸アシドーシスになると、筋肉痛、筋肉の痙攣、倦怠感、脱力感、腰の痛み、胸の痛み、
吐気、嘔吐などの症状が出ます。

 

そして、数時間すると昏睡状態になります。
昏睡状態になると死亡する確率が高くなるので注意が必要です。

 

 

<C型慢性肝炎の自然経過>

 

            【治 癒】←←
             ↑    ↑
          【一過性感染】 ↑
             ↑    ↑
 【感 染】→→→→→→→↑    ↑
 ↓ ↓              ↑
 ↓ →→→→→→→→→→→【ごく軽い肝炎】→→→→→→→→→→→→→→→→
 ↓
 ↓→→→→→→→→→【慢性肝炎】→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→
            ↓
            ↓
            →→→→→→→→→【肝硬変】→→→→→→→【肝がん】

 

←←←←←←←←←←←←←←←←[25年〜30年]→→→→→→→→→→→→→→→

 

 

<C型慢性肝炎に対する初回治療ガイドライン(2008年)>

 

※ジェノタイプとは、ウイルスの遺伝子に基礎配列の類似性から分けられた遺伝子型の分類法です。

 

●ジェノタイプ1…………高ウイルス量(1Meq/mL以上 5.0LoglU/mL以上 300fmol/L以上)
           ・ペグインターフェロンアルファ-2b+リバビリン 併用療法(48週間)
           ・ペグインターフェロンアルファ-2a+リバビリン 併用療法(48週間)

 

           低ウイルス量(1Meq/mL未満 5.0LoglU/mL未満 300fmol/L未満)
           ・インターフェロン 単独療法(24週間)
           ・ペグインターフェロンアルファ-2a 単独療法(24〜48週間)

 

●ジェノタイプ2…………高ウイルス量(1Meq/mL以上 5.0LoglU/mL以上 300fmol/L以上)
           ・ベグインターフェロンアルファ-2b+リバビン 併用療法(24週間)

 

           低ウイルス量(1Meq/mL未満 5.0LoglU/mL未満 300fmol/L未満)
           ・インターフェロン 単独療法(8〜24週間)
           ・ペグインターフェロンアルファ-2a 単独療法(24〜48週間)





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